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効率の良い発声/腹式呼吸

Cheer + Voice Trainingでは小さなパワーで効率の良い発声方法を提案しています。

 腹式呼吸は発声する際に最も効率のよい呼吸法です。合唱、演劇、ヨガなどを習った方はこの言葉を聞いたことがある方が多いと思います。

また、最近では健康ブームなどもあり、呼吸法が改めて見直されています。腹式呼吸は深く長い呼吸になります。腹式呼吸を獲得すると、身体の隅々の毛細血管に酸素が供給されるため、お肌のくすみが改善されたり、頭がすっきりしたり、風邪をひきにくくなったり、疲労回復効果もあります。また、不眠症を改善する効果も期待されるため、心療内科では腹式呼吸を推奨するドクターも多くいらっしゃいます。

 腹式呼吸は、人間が生き生きと健康で生きるために、重要な呼吸法といえます。

 その呼吸は発話時と、非呼吸時では筋肉の使い方が違います。呼吸時は流入した空気が肺を押し広げ息を吸い、元の状態に戻ろうとする復元力で息を吐く、という随意運動によって行われます。しかし、発話時の呼吸は喉頭などをを効率よく動かすために、主に横隔膜とその周囲の筋肉を使います。横隔膜は横隔神経の支配を受けているため、通常呼吸とはまた違う系統なのです。

 横隔膜は、ポンプの役割を果たしています。横隔膜は薄い筋肉の板で、胸腔の底面にあります。休止時はドーム型をしています。収縮するとドーム型から平らになり、腹部の内臓は下のほうに圧迫されます。吸気時に横隔膜が収縮すると胸郭の底面が平らになり下降します。同時に腹部内臓は前面に圧迫され、腹部が前面に膨らんだ状態になります。また、発話時には横隔膜を強く押し上げる腹筋の収縮が重要で、これにより呼気圧が増えます。

ここまで続きああと

さて、ボイストレーニングにおいての、腹式呼吸の効果は

最小限のエネルギーで長時間話してもかすれない声、安定した声の発声

これをサポートするのが、腹式呼吸なのです。

 

 

 実は腹式呼吸は女性にはちょっと不利で男性にはちょっと有利です。これには筋肉量が関係しています。女性に比べて筋肉量の多い男性は特別なトレーニングをしなくても自然にできている人もいます。ただし、最近の男子たちは草食系!なんて言われていますよね。筋肉量が少なく、痩せで猫背の若者が多いので女性と同じようにしっかりトレーニングをしてくださいね。

 

​いやいやこんなにマッチョじゃなくても大丈夫です。

腹式呼吸には、腹筋と背筋の筋肉が重要です。動物と違って人間は2足歩行の動物です。重たい頭を地上から一番高いところに持っていくために太い背骨とおなかと背中の筋肉が頑張って支えています。最近では運動不足のために、体をささえきれず、猫背になる若者が増えていますよね。若者にも肩こりさんが多くいます。

ボイストレーニングでの腹式呼吸は息のコントロールになります。長いブレスをゆっくりコントロールするためには、腹筋と背筋で横隔膜周辺の筋肉をコントロールする必要があります。普段人間は無意識に肺呼吸で空気を吸って吐いています。しかし、意識をしていない呼吸は浅く、筋肉をあまり使いません。近くにいる人間に語り掛けるような短い時間のおしゃべりは周りの人に声は届きますが、少し離れた人、また多くの聴衆の前で話すようなときには、声が通らず、聞き取りずらくなります。大きな声で喋ればよいのでは?と思われるかもしれませんが、自分の声帯のポテンシャル以上のパワーを繊細な声帯にぶつければ、すぐに傷めてしまいます。

腹式呼吸では特に息を吐く時のコントロールが重要です。

声の強さをコントロールしながらしゃべろうとすると、すぐに息が切れてしまいます。ブレスの間隔が短くなるため、聞いていると息苦しい印象に聞こえたり、早口になったり、語尾が消え入るように聞こえたりして説得力がありません。人前でしゃべる時に、周到な準備をしていても、腹式呼吸ができていないと、どんなに内容が良かったとしても、あの人の話はなんだか説得力がないし、疲れる。。。なんて言われてしまいます。

 

 腹式呼吸がなぜよいのか?声道を通る空気を腹筋と背筋でコントロールすることができるからです。腹筋と背筋は比較的容易にトレーニングすることができます。息を腹筋と背筋で支えるイメージです。このコントロールができるようになると、長いセンテンスの文章を滑らかに読めるようになります。

 

それではその、具体的なトレーニング方法を2つご紹介します。

座ったまま腹式呼吸法

用意するもの

  • ストロー

  • 紙に直径10センチくらいの円を書いて、真中に小さな円を書いてください。

 

ではやってみましょう。

 

  • 鼻から息を吸って

  • 一瞬止める

  • ストローからなるべくゆっくりと息を吐きます。

  • 息を吐く先には直径10センチの的を用意。その真中に向かって息を吐きます。

  • お腹が引っ込むのを確認しましょう。お腹と背中がくっつくイメージです。

  • 息を吐ききったらまた吸ってください。

 

息を吐くときの時間をストップウォッチなどで測り、10回くらいやってみます。その時間がどんどん長くなるようやってみてください。

 

ストローがない場合は口をすぼめて、同じようにやってみるとよいでしょう。

 

<お腹に力が入るのが感じられない方の練習法>

 

壁に向かってください。

多少押しても、たわまない壁が良いでしょう。

 

  • 重いものをぐっと押すようなポーズで

  • 鼻から息を吸って

  • 「あー」とゆっくり息を吐きながら壁をグーっと押してみてください。

  • その時に、お腹と背筋に力が入っているのを確認して下さい。

  • 息を吐ききるまで壁を押してください。

  • 繰り返し

  • 「あ」以外の言葉でも壁を押しながら練習するとよいでしょう

 

挿絵をいれます。写真差し替え

 

 

大きな声を出すのではなく、今自分が持っている声を同じ声量でキープしながら発声します。声が大きくなったり、小さくなったりするのではなく、一定に保つためには息を腹筋と背筋で支えてあげることが重要です。

 

 

余談ですが、このトレーニングをすると、たいていの人は、頭がすっきりし、肩こりが楽になったとか、眠気がとれた、などと言います。腹式呼吸をすると体に十分酸素がいきわたりますので、血流が良くなるのですね。現代人は呼吸が浅いといわれています。腹式呼吸はお肌にも良いといわれていますので、アンチエイジングにも効果的と言えるでしょう。

 

人間をギターにたとえると、弦がピンと張っていなければ、ギター本来のよい音は出ません。ぼよーんと頼りない音になります。また、ボディがゆがんでいたり、バランスが崩れているとよい音が出ません。人間も同じなのですね。声は喉からだけ出ていると思いがちですが、体全体の空間に効率よく共鳴させ、よい音を発声します。姿勢をよくしなさい!という理由です。

 

 

よい声を発声させるために、ボディが上の図のように猫背になっていると、その人本来のよい声が出ないのです。

ではよい姿勢とは?

椅子に座る時。少し浅く腰をかけて、床に足がつくように。重心はお臍のあたりです。お尻がぴょこんと出ないようにしてください。この姿勢をキープしているのが辛い人は、腹筋と背筋が弱っています。トレーニングが足りません。鍛えましょう。現代人は猫背の人が多くなっています。特に子供の猫背が増えています。猫背は内臓の機能障害とも因果関係がありますので、体のためにもよくありません。またお腹まわりに脂肪がつきやすくなります。メタボでお腹周りを気にしている方は、デスクワークの時でもこの良い姿勢をキープすることで、かなり改善されます。ぜひやってみてください。

 

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